「世界で唯一のお風呂が出来ました」
住宅設備のショールームで、細江工務店社長さんと偶然に来会わせたのが、最初の接点です。かつて私が岐阜県技能士会連合会の理事をしていた当時、理事会でご一緒していた方と瓜二つの印象を感じ、もしやと思いお尋ねしたのが始まりです。やはり社長さんは、既に故人となられたそのお方の、ご子息だったのです。話題は深まり、私宅の浴室改造案に及びました。知識豊富な社長さんのアドバイスを伺っているうちに、先代社長ゆずりの、優しくて誠実なお人柄も知ったのです。今の浴室造りは、既製品のユニットバスルームをそのまま組み込むのが主流ですが、その規格は四角形です。しかし、私宅の浴室区画は、四角でなく変形ですから、我が家に既製ユニットを入れるのは不可能です。困った私が、主人の意見も聞きながら考えたのは、タイルで仕上げることでした。これならどんな形のバスルームでも作れます。ただ、下手をすると、単調な昔風のイメージになる危険があります。少しでもモダンにしたい思いもありますから、そこのところが悩みの種でした。その後かなりの日時を費やしながら、社長さんと計画案の交流をしました。美しい室内構成とタイルの使い分け、品質、耐凍害、予定価格など、実にこまごまと細部にまで、根気に練り上げて下さいました。そして、独特の味わいのセンスと満足できる施工プランがまとまり、素晴らしい工事を終えて頂きました。サイズはミニ浴室ながらも、タイルでこそ演出できる我が家独自の雰囲気ですから、同じ浴室は、何処にも無いはずです。「世界にひとつだけのバスルーム」だろうと自賛しています。振り返って考えますと、細江工務店さんに工事をお願いすることになったのは、「社長さんのお人柄を信頼した」の一点に帰着できます。もちろん、その信頼の中には、お父上である先代社長さんの遺徳も含まれていることは言うまでもありません。人間関係や信頼関係を大切にしている細江工務店さんが、今後ともこの基軸を守り続けてご発展くださることを、心からお祈りしています。